記憶正しく美しく

2006/02/24

「記憶正しく美しく」は、もちろん宝塚の「清く正しく美しく」が本歌である。

と学会」をご存じだろうか。そこからお借りした。
トンデモ本を楽しむ読書グループだそうである。
「トンデモ」という言葉を発明したのは「と学会」なのだ。

はじめて、「と学会」の本を読んだときの印象は、バージェン・エヴァンスの「ナンセンスの博物誌」のノリではないかという感想を持った。

面白かった。

ところが実際トンデモ本そのものを読むと、どちらかと言えば怖くなる。
下手な怪奇ものを読むより、恐怖を憶える。と学会のようには、一歩引いて面白く読むことがなかなか出来ない。

一度、真剣に「私は、某惑星にいるhogehogeからの通信を受けている」という方にあったことがある。冗談で言っているのではなく、本人はそれを全くの「事実」として仰っているのである。こちらは、どう何を話せばいいのだろう。

「宇宙版いたこ」ですなぁ、などという軽口はとても言える雰囲気ではないのだ。

で、昨日(2006/01/19)、地元紙に、「この付近に、ケリー大統領候補とそっくりな人がいる、この事には何か意味があるのだ」と「前世記憶を持つ女性がいる。しかも、滅び去る惑星から脱出した記憶がある。」という一面全部を使った記事が掲載された。笑いを取るためのネタではないのだ。紙面をコピー(大きいです414kB)しておいた。

アダムスキー型の宇宙船らしきものが「イメージです」とのコメント付きで載っている。「ここ数年」とも書いてある。

「既視感」と言う言葉もあれば「偽記憶」という言葉もあるんだよ。
「他人の空似」という由緒正しい言葉を知らないか。
アダムスキー型は流行遅れです
ずいぶん昔から、「私は○▲の生まれ変わりです」というのがいますが、あれは???

と言うことは簡単であるが、「それを、事実として、あってあたりまえ」という風に信じる感性には、揶揄するよりも、恐怖を憶えてしまう。

「住んでいる世界が違うのではないか」

また幾ら田舎といえども、理屈っぽいことで有名な長野県なのだ。なぜそんなのが全面に掲載される???

私の知らないうちに「前世の記憶を持つ人」が周りにゴロゴロ居られるのだろうか。私は「前世の記憶」を持たないマイノリティなのだろうか。

私は確かに物覚えが悪い。しかしそれが、時空を越えたレベルの健忘症だった、ことになってしまう。

不安だ…

掲示板に書いた物を転載した。