2005/12/16

こんなページがあった

某所のページにて

某所と言っても我が本山の名を冠するサイトである。大学などにも納入実績が多いプロに,制作して貰っているそうだ。さぞ立派な…

ある法話のページを例に取る。まずソースを見てみる。

<td colspan="2" width="600"><strong>■こころの中に平和のとりでを</strong></td><td width="397">

<P><span style="font-size:11pt;"><B><font color="green">戦争は人の心の中で生れるもの</font></B></span><B><font color="green"><span style="font-size:11pt;"><br>であるから人の心の中に平和の</span></font></B><B><font color="green"><span style="font-size:11pt;"><br>とりでを築かなければならない</span></font></B></P>

</td>

<td width="203">

<P><IMG height="143" src="images/heiwa171203.jpg" width="177" border=0></P> </td>

</tr>

<tr>

<td width="20"></td><td colspan="2" width="600"> <P><font color="#000066"><span style="font-size:11pt;"> これは言うまでもなくユネスコ憲章の冒頭に掲げられている文章です。第二次世界大戦という未曾有の惨劇の反省にたって、人類の英知を結集した宣言であろうと思います。しかしながら、今尚、人間のいがみ合いは絶えません。</span></font><span style="font-size:11pt;"></span></P> <P><font color="#000066"><span style="font-size:11pt;"> 平和への道は、私たちの日常の生き方にかかっていると言っても過言ではありません。いさかいや争いの多くは、他に敵意を抱くことから生じます。</span></font><span style="font-size:11pt;"></span></P> <P><font color="#000066"><span style="font-size:11pt;">    </span></font><span style="font-size:11pt;"><B><font color="maroon">&nbsp;「彼、われをののしり<br>     彼、われをうちたり<br>     彼、われをうちまかし<br>     彼、われをうばえり」<br>     かくのごとく こころ<br>     執する人々に<br>     うらみはついに<br>     やむことなし       <br>                      (友松圓諦訳『法句経』)</font></B><BR></span></P> <P><font color="#000066"><span style="font-size:11pt;"> 彼、我と対立し、自我を立てるところに争いはなくなりません。相手の立場を思いやり、相手と同じ心になることが、平和への道に通じます。</span></font></P>

</td>

表示例
表示例

普通にブラウザで表示すると右のようになる。

ソースがいかにも見づらいのである。このサイトではJavaScriptを使ってWinとMacにそれぞれのCSSを適用するという高度なことをやっているのである。

にもかかわらず、左から文頭を離すためにスペースを挿入しているのである。読み上げソフトは困惑するだろう。

ソースの中に何もMarkがないのである。いや、「山ほどタグが書き込んであるではないか」と言われるかもしれない。 しかしここに書き込んであるタグは<p>と<br>以外はすべて表示を修飾するものばかりである。そのせいで文章が埋もれてしまっているのだ。しかも<td>が使ってあってもこれは表ではない。 これ全体が横幅が固定してある大きなtableの中にあるtableでここにtableを使ってレイアウトする必要は何もないのだ。 <td>すらも表示用なのだ。

確かに文章中には「ユネスコ」とか「法句経」とかからの引用であることは書いてある。表示もそれなりに変えてある。 しかし、そのことはブラウザ(ユーザーエイジェント)にとっては何も指示していることにはならない。すべて本文にしか見えないだろう。cssや<font>などを外してしまうと引用であることは表示されないのだ。

HTMLの「M」は「Mark Up」である。印付けなのだ。それは「ここの色を変えてね」ではない。確かにそのことも出来るのであるが、まず最低指定しなければならない印付けは、ここは「見出しだからね」とか「ここの部分は引用だから」と言うことを明示することだろう。

それがない。

これでは駄目なのか

必要と思われるタグを挿入してみた。不必要と思われるものを削除してみた。

さっぱりとした風に見える。原稿を加工するのも早そうだ。

これで、適当にCSSでクラスの表示を設定すると、同様の画面表示になるはずだ。もちろん<blockquote>などのstyleは先に<blockquote>のものを設定し、個別には付け加えるべきもの(例えばcolor)だけを設定すればいいようにするのだ。

このようなシンプルなものでいいと思うのだが、制作者は次のように語る。

HTMLの記述の仕方には様々な方法があり、これといって決まった形式が無いのが現状だと思います。特にCSSの技術に関しては顕著です。

タグにはたくさんの種類があり、同じ効果のタグもございますし、それぞれの作り手(デザイナーやコーダー)によって癖が出てくるものです。

そうか。HTMLにはこれといって決まった形式が無いのか。知らなかった。

某社の名は特に秘す。

終わり