「銀(ぎん)の滴(しずく)降るふるまわりに」で始まる「アイヌ神謡集」は「知里幸恵」が日本語訳したものです。
「銀の滴(しずく)降るふるまわりに,金の滴(しずく)降るふるまわりに」
という歌を静かにうたいながら この家の左の座へ右の座へ
美しい音をたてて飛びました.
私が羽ばたきをすると,私のまわりに
美しい宝物,神の宝物が美しい音をたてて
落ち散りました.
※アイヌ神謡集は電子化されつつあります。その中で「銀の滴降る降るまはりに」の全文を読むことができます。こことは別に青空文庫でも読むことができます。
小学生の時に、アイヌの人が民族衣装を身に纏い学校へ来たことがあります(兵庫県)。講堂でアイヌの言葉やら風俗を聞かせていただいたのですが、あれは当時でもまた今考えても「この扱いは見世物扱いではないか?」との疑いが晴れません。悲しかったことだけを思い出します。20代の頃だったかアイヌ神謡集を読んだときはその美しい世界にびっくりしました。新潮選書で出た藤本 英夫 著『銀のしずく 降る降る』で知里幸恵・真志保兄弟の生涯などを知ると、「金田一さんもう少し配慮できなかったんですか?」と
今「キンモクセイ」と「ギンモクセイ」が花盛りです。そこいら中にその香りが漂っています。少し濃密な感じのする香りで、人によっては強すぎると思う方もいるかも知れません。金と銀から知里幸恵さんのことを思い出したわけです。
今年もカノコユリが咲き出した。先日のヤマユリは倒れないようにしたが、このカノコユリは何も手を掛けなかったので、崖の傍にあって重さに絶えかね、茎が水平よりも尚下を向いている。今年は今日が立秋なので晩夏の花ないしは秋の花ということだろうか。 ハスの花(蓮華)に比較すると、ユリの花はどこか涼しげに思う。ドヨウユリ(土用百合)、タナバタユリ(七夕百合)との異名もあるそうだ。そういえば今日は月遅れの七夕様。織り姫様もユリのように嫋やかなのだろうか。
一枚目のハスはベビーバスの中、二枚目はコンクリートの水槽の中。絶えず水の入っている水槽の方が花が小さい。但し葉は大きい。
夏の医者という落語のネタがあります。このオチは「夏のチシャは腹へ障(さわ)る」と「もういやだ。夏の医者は腹へ障る」。話はおもしろいのですがなぜ、「夏のチシャは腹へ障(さわ)る」のかは知りませんでした。
何かの本で「夏のチシャは腹へ障(さわ)る」というのが江戸時代には常識だったことを知りました。チシャとは何だ?ですが、いまでいうレタス。葉が縮れている夏野菜だったそうです。これを夏に生で食するのは危険であったようです。
植物の細胞壁は丈夫で普通の細菌は侵入できないですが「切り口」は別で、ましてレタスのようなものは切り口から乳液が出てきます。この乳液は細菌から見れば栄養の塊ですので、繁殖の結果腹をこわすというわけですね。「夏のチシャ」は相当危険であったようです。「フグ」のように危険を承知で食するのもまた美味なんでしょうが。
「O-157」 などの細菌もこの手の野菜では非常に繁殖しやすいと言うことを、某機関の方に伺いました。
で、「イワタバコ」です。漢字では「岩煙草」。この植物が食べられるかどうか知りませんが、タバコはコロンブスがアメリカ大陸からということで、昔は日本にはタバコという植物もなければ言葉も無かったわけです。当然別名があったわけで、少し検索してみると異名があるのが判りました。
「イワナ」「タキチシャ」というそうですが、「イワナ」は「岩菜」でしょうか。「タキチシャ」は「滝ちしゃ」ではないかと。そういえば葉が縮れていて似ているような気がします。湿度の高いところを好んで生育するのでそう云う名前がついていても不思議ではないと思いますが、どうでしょう。
食材にしたことはありませんので「夏の滝ちしゃ(イワタバコ)は腹へ障(さわ)る」かどうかは、不明です。
キキョウが咲いている。秋の花のはずだがしばらく前に咲き出した。見事に五角形になっている。ハスは開く際に「ポン」と音がすると言われることがあるが実際は何の音も立てない。キキョウのつぼみを指で押すと、間違いなく「ポン」と音がする。
ヤマユリが咲き出した。植えたわけではなく、いつの日にかここに生えるようになった。はじめは一株だったのが段々増えてきて、今年は五株になりそのすべてに花が着いた。小さな株が見当たらないが、草刈りをするところなのでうっかり刈ってしまっているのかも知れない。野生の(野良の)花なので当然不耕起無肥料なのだ。無肥料などが最適ではないと思うが、手間が省けるのが第一。それでも今年は倒れないように紐で結わえておいた。ユリは花が重い、少しの風でもゆらゆら揺れるのがユリの風情だろうが、雨で倒れてしまうのも、また多いのだ。夕方になって撮影したので、色が少し変。
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2008/4/22 〜 |