今年のお盆は、珍しく雨が降りました。しばらく晴天が続いていたので、干天の慈雨には間違いありません。バイクで走り回っている和尚がずぶ濡れになった事などは、些細な事で何の問題もありません。
コケは乾燥には滅法強く、年単位で降らなくともひとたび水分を得られればすぐに緑を回復します。仮死状態で乾燥時期をやり過ごすわけですが、その間はライターで簡単に火が付きそうな位に乾燥状態になります。この画像のコケも雨の前は茶色になってパリパリに乾燥していました。今回の雨で緑を回復しこのような状態です。
京都の某寺で「ここではスギゴケには朝夕毎日撒水してるんだぜ、お前やってるか?」と聞かれ「いや、スギゴケなんて普通放置でしょ、ワタシャそれを【見栄の水】って名付けてますけど」などと言ってしまい、あぁまた余計な事を言ってしまったと反省しています。が、水やりは必須では無く、単にお客さんの為(訪れる方への心遣い)なので、やはり【見栄の水】は間違いでは無いと思っています。いつものように、思慮無く口にしたのが浅はかだったわけで。口にしたとたん、「しまった」と気付きはするのですが。
先日、コケ博士大石善隆博士の講演を聴く機会がありました。博士曰く、コケは後に発生したシダや種子植物に追いやられ、彼らの生育できないような過酷な環境にニッチを見いだし・適応した。とのこと。この場所は、人為のため種子植物などが非常に生存が難しい(抜かれてしまう)過酷な場所で、スギゴケの天下になっています。
一番後の画像は、屋根に残った銅製の樋から落ちる水しぶきを受ける場所です。銅イオンのせいで、さすがのスギゴケも侵入できなかった場所です。画像にある繁殖しているのは恐らく地衣類(植物では無い)ですが、地衣類も又普通の植物が生育できない強酸性・重金属イオンのある場所にも生育する種類があるようです。腐海でも生存できそうで、ナウシカの世界を彷彿とさせます。
それにしても、本当に有り難い雨だったのですが、わがままを言えば、16日から降っていただければ、もっと有り難かったですね。
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2008/4/22 〜 |