猪や鹿 あるいは 進化論的に

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猪や鹿 あるいは 進化論的に

カテゴリ : 
日常
posted by : 
huu 2008-12-15 20:00

こんなメールが来た

今年はサツマイモを全部イノシシに食べられてしまった

前は電柵張ってあれば大丈夫だったのに、効果が無くなった

私の所だけじゃなくて、この付近皆さん全部!

そのため、この地方独特のサツマイモ加工品「きんこ」が作れなくなった
来年は、もうサツマイモ作るの止めようかとか、近所のおばぁさんたちが言ってます

「狸」と「猪」何でこんなに増えたのかなぁ?昔は居なかったのに

ここでも野生動物が身近に出現するようになった。山間部では、鹿をはじめ猿猪などの被害がはなはだしい。以前はなかった狸(だろうと思う)の糞の山が表にもできている。今日も早朝表に出てみると、庭の中を雉の雄が歩いていた。確かにこの辺りは自然が残ってはいる(まっただ中だろう、という意見は却下)にしても、そうそう人家に近いところをうろうろする鳥ではなかった。

猿などを捕まえた場合、殺してしまうのは酷なので例えば「百叩きの刑」にして山へ返せば、人を恐れて近づかなくなる、という説がある。私もそう言ってきた覚えがある。しかし、これは猿などに親子間で継承する文化を想定しないと成り立たない説だ。猿にそれほどの知能(?)があるのだろうか?
熊には?猪には?狸には?

地中海だか北海だかで、「魚類保護のため小さな個体は獲らない」ことをやっていたら、全体が小さくなってしまったことがあるらしい。

確かに、これから大きくなるものを獲ってしまうより、大きなものだけを獲れば、今小さいものもいずれは大きくなることが期待できそうだ。しかしそうはならなかった。

すべてが一律に大きくなるのであれば、大きいものだけを捕獲するのは理にかなっているかもしれない。しかし中には小振りでも卵を産む個体もいただろう。その手の個体には同じ種類の大きな個体が捕獲されれば、相対的に餌が増え、結果同じ種類で小振りのものが数が増える。ということではないだろうか。

ダーウィンがヴィーグル号で世界一周の旅の途中、オーストラリアだかニュージーランドに立ち寄った時、水を汲みに行った水夫が、水を飲みに来る鳥を沢山捕ってきた。人を恐れず目の前で仲間がたたき落とされても、なお恐れなかったのだ。

鳥には世代間の知識の継承はないだろう。ではなぜ普通に目にする野生の鳥は、人を見て逃げるのだろうか。

そこで、以下の仕組みを考えた。

  1. 鳥にも色々な性格のものがいる
  2. 色々な性格のうち、「勇猛果敢型」や「びくびく型」もあるだろう
  3. 「勇猛果敢型」と「びくびく型」の数は、ある連続した分布をしているだろう
  4. 「勇猛果敢型」はたまには敵に勝つかもしれないが、「びくびく型」よりは少し食われてしまうことが多かった。
  5. 「びくびく型」は弱いことで逃げ回り(巣も外敵を追い払うのではなく、外敵のこないような所に作り)、結果として子孫を多く残せた。
  6. それでも「勇猛果敢型」が全くいないわけではない。数は少ないながら、なぜか生き残ってしまうものは必ずいる。

というわけで、猪。

昔の山には猪を食べる生き物がいた(狼・人)。敵を恐れない「勇猛果敢型」は狼や人を余り恐れないので食われてしまう割合が少し多かった。で、その手の性格を引き継ぐものも減ってしまった。今は猪を食うものがほとんどいない。相対的に勇猛果敢型が増え、人家傍まで出てくるようになった。

というわけで、魚の数を確保したいのであれば、大きさではなく、漁獲量そのものを減らす。獲る時は、大きさを無視して獲ることが必要。

鹿や猪の害を減らす(人里へ近寄らないようにする)には、人里に近づいた個体のみを駆除する。山の中に入っていって、目に付いたのを適当に殺し、数を減らしたような気になって安心してはダメだと。

別の表現だと、魚の場合大きさが生存に不利でも有利でもないようにすると、特定の種類の魚の小振り化が防げるかもしれない。

猪や狸の場合では、人里に近づくことが生存に不利になるように、選択的に減らしていけば、人里に近づく(怖さを感じない)個体が減少する。かもしれない。

進化論的にはどうなんでしょ。

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