お盆も終わりいくらか涼しくなってきました。日中は暑くとも朝晩は過ごしやすくなってきて、眠る時には網戸では寒いほどです。
ハスの花もだんだんと蜂巣のようなものが増え、花が少なくなってきています。
信州の夜はすっかり秋なのです。秋は読書の季節。最近になって青空文庫に蒲 松齢(ほ しょうれい)作の聊斎志異がアップされているのに気がつきました。田中 貢太郎という作家の訳によるものです。
作家別の所を見ると「聊斎志異」からの訳ではないようですが、「聊斎志異」に収録されているものと同様ものが田中貢太郎作となって、収録されていました。中国の怪異譚として書かれたようです。
若い頃に、角川版「聊斎志異」を読んだことがあって、今回読んでもそう内容が大きく変わるものではありませんでしたが、柴田 天馬(しばたてんま)訳に比べて少し簡潔さが少ない様な気がしました。
今回、この「柴田天馬」氏の没年が1963年と知り、あと幾年かすれば没後50年を迎えて、柴田天馬訳の聊斎志異もweb上で読めるのではないかと期待したいところです。
ところで、田中 貢太郎訳の中に陳 玄祐著倩娘(せいじょう)という作品があります。同様なものが聊斎志異にもあって「倩娘離魂」(せいじょうりこん)(注)と題が付けられています。この「倩娘離魂」は禅宗の公案の中にもあって、物語を知らないと「なんのこっちゃ」なのですが、私にとっては、知っていても「なんのこっちゃ」だったのは、もちろん秘密なのです。
「倩娘離魂」は今となっては中国の古い昔の物語ですが、この話が世間の口端にのぼっていたその時代に公案となったようです。今に直せば、偉いお坊さんがワイドショーの話題を例に採って話をされるようなものでしょうか。
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2008/4/22 〜 |