11月のリンドウです。リンドウには男性も女性もなく両性具有なのですが、ご存知のように伊藤左千夫氏の「野菊の墓」の中で「民さんは野菊のような人だ」、「政夫さんはりんどうの様な人だ」「どうして」「さアどうしてということはないけど、政夫さんは何がなし竜胆の様な風だからさ」という会話がリンドウを見ると思い出され、私の脳内では「リンドウは男性」の印象が強いのです。
ふるさと兵庫県の県の花は「ノジギク」ということでした。漢字では「野路菊」でしょうか。野菊の墓の「野菊」はあの近辺(明石・神戸・姫路)の人間には「野路菊」と脳内変換されていると思って間違いないと思われます。明石市にも「野路菊(のじぎく)」を冠した商品・施設・店が多いことの理由です。また、「野菊の墓」は県民必読の書に指定されていました。(嘘です)
実際は野菊の墓の舞台は「矢切の渡し」で知られている千葉県松戸市矢切付近だそうで、ノジギクは野生のものとしては兵庫県以西に生育するものですので野菊の墓の野菊とノジギクは名は似ても非なるものということになります。
対になっている「野菊と竜胆」ですが、今は知らず昭和30年代の明石市の田舎には庭先にリンドウが咲いているなどと言うことはなく、勿論図鑑上でのリンドウは知ってはいても本物は見たことがなかったのです。
庭や野原に咲くリンドウを見るようになって、「野菊はまぁ可憐というか可愛いから民子さんで良いが、なぜに政夫はリンドウなんだ?」(何をリンドウで表現したいんだ?)と未だに不思議でなりません。
まぁ、確かに茎が曲がろうが倒れようがリンドウの花は上を向いて咲いてはいます。
というわけで、知り合いの民子さんに逢うと野路菊を思い出し、リンドウを見ると政夫という名前が想起されるわけです。私にとってはリンドウは男性なのです。
普通のリンドウの親戚筋に当たる「ツルリンドウ」です。周囲に何か生えていればそれにまとい付いて伸びるのでしょうが、何もないところだとこのように「ウネウネ」となっています。リンドウと言っても花は既になく、一風変わった実が付いています。これはこれでなかなか可愛いのです。
諸般の事情で、何れも撮影したのは11/04です。
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2008/4/22 〜 |