「銀(ぎん)の滴(しずく)降るふるまわりに」で始まる「アイヌ神謡集」は「知里幸恵」が日本語訳したものです。
「銀の滴(しずく)降るふるまわりに,金の滴(しずく)降るふるまわりに」
という歌を静かにうたいながら この家の左の座へ右の座へ
美しい音をたてて飛びました.
私が羽ばたきをすると,私のまわりに
美しい宝物,神の宝物が美しい音をたてて
落ち散りました.
※アイヌ神謡集は電子化されつつあります。その中で「銀の滴降る降るまはりに」の全文を読むことができます。こことは別に青空文庫でも読むことができます。
小学生の時に、アイヌの人が民族衣装を身に纏い学校へ来たことがあります(兵庫県)。講堂でアイヌの言葉やら風俗を聞かせていただいたのですが、あれは当時でもまた今考えても「この扱いは見世物扱いではないか?」との疑いが晴れません。悲しかったことだけを思い出します。20代の頃だったかアイヌ神謡集を読んだときはその美しい世界にびっくりしました。新潮選書で出た藤本 英夫 著『銀のしずく 降る降る』で知里幸恵・真志保兄弟の生涯などを知ると、「金田一さんもう少し配慮できなかったんですか?」と
今「キンモクセイ」と「ギンモクセイ」が花盛りです。そこいら中にその香りが漂っています。少し濃密な感じのする香りで、人によっては強すぎると思う方もいるかも知れません。金と銀から知里幸恵さんのことを思い出したわけです。
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2008/4/22 〜 |