夏の医者という落語のネタがあります。このオチは「夏のチシャは腹へ障(さわ)る」と「もういやだ。夏の医者は腹へ障る」。話はおもしろいのですがなぜ、「夏のチシャは腹へ障(さわ)る」のかは知りませんでした。
何かの本で「夏のチシャは腹へ障(さわ)る」というのが江戸時代には常識だったことを知りました。チシャとは何だ?ですが、いまでいうレタス。葉が縮れている夏野菜だったそうです。これを夏に生で食するのは危険であったようです。
植物の細胞壁は丈夫で普通の細菌は侵入できないですが「切り口」は別で、ましてレタスのようなものは切り口から乳液が出てきます。この乳液は細菌から見れば栄養の塊ですので、繁殖の結果腹をこわすというわけですね。「夏のチシャ」は相当危険であったようです。「フグ」のように危険を承知で食するのもまた美味なんでしょうが。
「O-157」 などの細菌もこの手の野菜では非常に繁殖しやすいと言うことを、某機関の方に伺いました。
で、「イワタバコ」です。漢字では「岩煙草」。この植物が食べられるかどうか知りませんが、タバコはコロンブスがアメリカ大陸からということで、昔は日本にはタバコという植物もなければ言葉も無かったわけです。当然別名があったわけで、少し検索してみると異名があるのが判りました。
「イワナ」「タキチシャ」というそうですが、「イワナ」は「岩菜」でしょうか。「タキチシャ」は「滝ちしゃ」ではないかと。そういえば葉が縮れていて似ているような気がします。湿度の高いところを好んで生育するのでそう云う名前がついていても不思議ではないと思いますが、どうでしょう。
食材にしたことはありませんので「夏の滝ちしゃ(イワタバコ)は腹へ障(さわ)る」かどうかは、不明です。
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2008/4/22 〜 |