三浦哲郎氏が亡くなられた。忍ぶ川を読んだのは文庫本になってから。それから同じ著者の作品が文庫本になるたびに買っていた。
いくつかの場面が、忘れられない。志乃さんが箸袋に走り書きしたのを手渡す場面、雪が残る八戸の駅へ主人公を迎えに行った時に、和服で長靴を履き裾を端折った自分の格好を「へんな格好」と言った場面。八戸などの地名もその時知った。いや太宰の津軽にもその地名は出ていたような気がするが、そちらは記憶に残らなかったのか。
氏は作品を「小説」ではなく「物語」と作品の中で言っていた。それは一つの世界を作り上げるということなのだ、と勝手に思っていた。私小説家と言われたが私小説には収まらなかった。文庫版忍ぶ川の解説は奥野健夫氏がされていたんだっけか。
買った文庫版もどこかに在るはずだが探せない。買ってきてもう一度読みたくなった。
8/16 は餓鬼の首でなにもしないはずが、お盆中待っていただいた来客やら、なにより夕方から近所のお寺の川施餓鬼に出かけなければなりません。餓鬼の首の風習はどこへ行ってしまったのでしょう。準備やら当日出るスタッフは膨大な数になります。盆も正月もないものか、です。庵主さんの所へ寄り一緒に出かけるのは例年の通りです。
高台にあるそのお寺から出発するときに、新しくできた橋を撮りました。手前に写っている元の橋を「赤い橋」と子供たちは言っていました。並んだところを見ると、「赤だったかも知れない橋」に見えます。
86歳の庵主さん始め和尚さんたちは、高台から川傍まで降りていき読経いたします。お参りされる方が終わるのを待って引き上げるのですが、今度は登りになります。庵主さんと手をつなぎ途中幾度も休みながら登っていきました。いったい餓鬼の首の……。
棚経がついに終了しました。毎年「今年も無事に廻れるやろか」と不安を抱きつつ、それでも毎年何とかなるのが不思議です。
まわる中に、何が本業なのかいまいち判然としない方がいて不思議に思っていたのですが、今回新しい事を始められたことを伺って、何となく正体が判明しました。
新しい事とは「定年退職したスペシャリストで仲間を作りなにかしようぜ」ということで「w2SAAS (win-win Silver Age Action System, 熟年者蓄積能力活用システム)」株式会社プライムインク prime-inc.biz を立ち上げられたそうです。サイトを印刷したものをいただきました。この事業の成否は私には予想もつきませんが、気力には驚くばかりです。
今日お会いしたときも Sun のTシャツ。年齢は私より一回り以上も大きいはずなのですが、そういうものが手に入る場所に出入りされてるようでした。きっとネットにも何かあるだろうと帰ってきてから見てみると、日本ベリサインの取締役もやっておられたようです。む〜〜〜〜〜
伺った事業の計画(の一部)はここには書けませんが、軌道に乗るとおもしろいものができそうでした。老人パワー恐るべしです。若い方も恐るべしなのですが。
ベリサイン社もこんなサイトからリンクを張られて、「手前ぇ、何だよ」でしょうが、 Sun やらベリサインを何となく身近に感じた今日でした。
お盆です。今年のお盆は台風が来て、ここでもたいしたことはなかったですが雨が降りました。今日は 台風一家 台風一過、青空が、ではなく朝から降ったり止んだり妙な天候でした。日本の夏は蒸し暑いことが多く、ヨーロッパなどと比較してマイナスに評価されることが多いような気がします。「日本の夏は蒸すわねぇ、去年行ったヨーロッパでは乾燥していて気持ちよかったですよ」などです。が今年のロシア・スペイン・ポルトガルなどの低湿度高気温による火災などを見ていると、いやぁ日本の湿度はありがたいですねえ、ということでしょうか。蚊が多く出てきたりするのは、蚊取り線香で対応できますし。
雨はその意味ではありがたいのですが、棚経にバイクが使えずちょっと困ったことになりました。今年はその棚経の際ごく小さなカメラを持ち歩きました。各御棚には色々珍しいものが掛かっていることがあり、それを撮ろうというわけです。お盆にふさわしい地獄図がありました。血の池地獄・針の山その他色々な地獄が描かれています。地獄の描写は数が多く、その想像力に驚くばかりです。それに比して極楽の描写は簡単になっています。悲惨なことは多様ですが幸せなことは案外単純な事なのかも知れません。(平凡な事の中にこそ幸せが)
地獄の職員(閻魔大王・鬼・その他獄卒)も忙しそうです。彼らにもお盆の休日・餓鬼の首がやってきます。たぶん閻魔大王様も餓鬼も、数少ないこの休日が楽しみなのだと思います。餓鬼はもちろん一日といえども地獄の責め苦から解放されるわけですし、閻魔大王様その他も「好きで」死者や餓鬼を責めているわけでは無いでしょうから。
もう一枚は曇華室の「清和」。老夫人に伺うと「先代さんが求められた」とのこと。この辺では案外珍しいのではと思います。例年この時期に玄関に入ると見える場所に掛ける習慣の様でした。
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2008/4/22 〜 |