一週間ほど前からランの調子が悪くなることがあった。ランとは言っても花ではなくネットワークの方である。溝掃除をしていたら電話があった。先輩に当たる人からである。その先輩が友人の所へ行っているらしい。その友人にランの不調のことをはなすと
「そりゃルーターから始めて、一個一個確認しなきゃ」……なるほどそうには違いないが、廊下といえども部屋の外は寒いし。
お昼に上がって確認してみるといよいよダメになり、一つ一つ確認するとどうもルータを出て一番目のスイッチングハブが死んでいるっぽい。これはここでは最初に購入したハブだ。良く動いていてくれたものだ。新しいものを購入し付け替えたらなんと言うこともなく復活。
10 年以上動いていたから天命を全うしたことになるのか。これから購入した順に色々な機器がダメになっていくのだろうか。自分自身も野良としては耐用年数を遙かに過ぎているはずなので、何時不調になっても不思議はない。世も末だ。
妙なシンクロニシティでその友人の知人でもある方から本が届いた。「喜多村 琢」という方の「我楽多録」(がらくたろく)。著者を知らないではないか。と一瞬訝しんだが本名をもじった筆名だった。懐かしい書がいっぱい掲載された楽しい著書だった。著者曰く「仕事もせず生きてきたので、ここらで表札の一つも作ってみようかと」
そうか、筆名で活動されていたのか。検索してみると公式サイトをお持ちで、ブログまで書いていられた。知り合った頃は「僕は本業は絵です」との事だった。もちろん字もすばらしいものであったのだが、サイトのタイトルにあるような「書家でありアーティストの」などとは自分からは決しておっしゃらないはずだ。
喜多村さんは自分でサイトを立ち上げたりブログを作ったりは絶対にできない。建築学科を卒業した友人やら管理人達をさんざん馬鹿にしていただいた芸術ボケのおじさんだったのだ。「原稿さえ書いていただければ、後はこちらで……」で勧められその揚げ句のタイトルだと信じたい。
しかし喜多村さんがサイトを持ったりブログを書いたりは 世も末だ。
究極のところ「人間はひとりぼっち」という著者の「悪戦苦闘」の日々の一部を切り取って『我楽多録』と名付けた画文集。人生の機微に巧みに触れる言葉がごく平易な語り口で綴られており、画風もユニークで楽しい味わいの深い魅力的な作品である。作画・構図、文章・文字、配色、いずれも巧みに描かれており、なおかつ親しみやすい。ひと言でいうとクオリティーの高い大人の絵本。
ということで、皆様是非お買い求めのほどお願い申し上げます。
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2008/4/22 〜 |